そして第三に、「穀物価格の値上げ」だ。トウモロコシ、大豆の世界最大の生産国である米国が56年ぶりの大干ばつに見舞われ、被害は国土の6割以上に及ぶほど深刻化している。これに伴い、トウモロコシと大豆の価格が急上昇。トウモロコシは史上最高値を更新し、小麦も値上がりしている状態だ。

 農林水産省は22日、小麦の国際価格の上昇を受け、政府が製粉会社に売り渡す輸入小麦の価格を10月から平均3%引き上げることを発表した。輸入されるトウモロコシの大半は、牛や豚などの餌となる配合飼料に消費されている。

 飼料価格の上昇は、食肉や乳製品、卵などの値上がりへと波及し、家庭の食卓を直撃する。実際、乳業大手メーカーは相次いでバターなどの値上げを発表しており、すでに影響は出始めている。また、値下げ競争が続いていた牛丼チェーンが値上げ圧力に晒されていることも報じられており、外食の出費も増えそうだ。

もはや収入の低下は避けられない
「家族総動員」で働き、支出を削れ

 ここまで見て来たとおり、収入が減る一方で支出が増える傾向にある今、我々がやらなければいけないことは、当然ながら支出を抑え、収入を伸ばすことだ。

 支出を抑えるためには、家族と協力して、より少ないもので足りる生活をするしかない。節約術についてはすでに多くの情報が転がっているはずだ。それに対して、収入を増やすことはなかなか難しい。サラリーマンの場合は、会社の業績によって否応なく給与やボーナスが決められてしまう上に、社則で副業を禁止されているケースも多いためだ。

 そこで、最後に永濱氏に、収入を増やすためにできることは何かを聞いた。

「1人当たりの所得低下は仕方のないこと。今後は、働いている人がもっと働くか、働いていなかった人が働くしかないでしょう。産業構造的にブルーワーカーの仕事は減っていますが、サービス産業は増えている。大変な労働を厭わないのであれば、介護、教育などにこれまで働いていなかった主婦が参加するなどして、夫の収入機会を補うことも必要です」

 それぞれの家庭の事情はあるだろうが、支出を減らすにしても収入を伸ばすにしても、家族総動員でこの受難の時を乗り越えていかなければならないということだろうか。「低収入高支出社会」の近未来図は、これからますます鮮明化していく。