中国では、新型コロナウイルスの感染が拡大した1月以降、賃金引き下げや失業を背景にクレジットカードや消費者ローンの延滞が急増しており、回収業者が時に極めて悪質な手口で返済を迫っている。
最初の震源地となった武漢市はコールセンターの集積地でもあり、10週間以上にわたるロックダウン(都市封鎖)で、回収作業に支障が生じる銀行もあった。
コロナ不況に見舞われる以前、中国では住宅・自動車ローンに加え、クレジットカード融資や短期ローンが過去最大の水準に膨れあがっていた。好景気を背景に、従来の銀行に加え、ネット銀行も貸し出しに躍起になっていたためだ。スマートフォンやアプリが普及したことで、ネット銀行からの借り入れは非常に容易になった。そして借り手の多くは、融資申請の際、家族や友人の連絡先を提供していた。
貸し手はここにきて、融資回収を急いでいる。多くは専門業者を使って借り手を追跡し、返済を迫っているようだ。貸し手には、従来の銀行に加え、ここ数年に金融サービスに参入した大手ハイテク企業の金融部門などが含まれる。