バレてないのは
運がいいだけ

 彼らのもう一つの、そして最大の特徴は、何一つ犠牲にする気がないことだ。

 彼らが支払うのはせいぜい1万、2万円のタクシー代やホテルの料金くらいで、自分の楽しみのために自分の何かを犠牲にする気は全くない。

 犠牲というのは何も、高額なお金を払うとかいうことだけではなく、妻の不安や愛人の不満を埋めるための努力をしたり、自分の時間を作って人を喜ばせたり、悪いことをしている分、その100倍良いことをしたり、そういうことを全部含む。

 だが、他人に損をさせているという罪悪感がない彼らは、自分が実は不当に得をしている自覚もないため、そういった努力など全くしない。

 なぜかウィンウィンの関係だと思ったり、イーブンな関係だと思ったりするらしいのだが、彼以外誰も得はしていないのだ。

 よく考えてみればすぐにわかることだが、彼らの「安定した家庭は欲しい、でも刺激的な夜も欲しい」という行動は、他人の犠牲を強制している。

 単に時間だけを考えても、妻が自分と過ごす時間を奪って愛人と会っているわけだし、愛人が他の男と出会う機会を奪って自分に付き合わせているのだ。