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ソーシャルディスラプト最前線

【新連載】ソーシャル上の"評判"によって、
既存ビジネスの基盤は、いかにディスラプト(破壊)されていくのか

岡本彰彦 [Recruit Strategic Partners, Inc. 代表]
【第1回】 2012年9月4日
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「本当によい」と思って書いた口コミだけが広告になる

 先に紹介したRedfin同様、アメリカの不動産関連のサービスだが、「RentMineOnline」というオンラインの賃貸物件仲介サービスがある。アメリカに多くある1棟ものの大きなマンションのオーナーや不動産管理会社は、その空室を埋めるために仲介業者に依頼したり、オンライン不動産データベースのZillow、コミュニティサイトのCraigslist、不動産検索エンジンTruliaなどに広告を出してきた。

友人が入居するとペイバックが受けられる賃貸物件仲介サービスRentMineOnline
http://www.rentmineonline.com/

 

 しかしRentMineOnlineを利用すると、RentMineOnlineは不動産管理業者からそのマンションの入居者リストを入手し、入居者たちにフェイスブックやツイッターで新たな入居者を募る書き込みをお願いする。「空き室があるから誰か入らない?」「このマンション最高!」などと自由に書いてもらうのだ。

 もちろん、彼らはタダで書き込むわけではない。彼らのSNS上での友人が入居すれば、物件の家賃価格に応じて数万円がペイバックされるという仕組みだ。その友人が必ずしも書き込みを見て入居を決めていなくても、SNS上で友人関係が認められれば報酬が支払われる。

 この仕組みなら、入居者を募るのに従来のように仲介会社に介在してもらう必要はない。そこにかかっていたコストに比べれば、口コミの報酬は安いものだ。さらにはこれまで入居者だけしかできなかった書き込みが誰でもできるようになったという。

 それならやたらに「入居しなよ!」と書き込めそうだが、それはできない。

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岡本彰彦
[Recruit Strategic Partners, Inc. 代表]

株式会社リクルートの投資会社であるリクルートストラテジックパートナーズの代表取締役として、コーポレートベンチャーキャピタルファンドを活用し、日本のみならず、北米、東南アジアをはじめとしたグローバルな投資·事業開発活動を推進する。現職就任以前は、銀行、ベンチャーキャピタル、証券会社などでストラクチャード·ファイナンスや新事業開発に従事した後、2007年にリクルートに入社し、主に同社住宅カンパニーにおける事業開発の責任者とブランドマネジャーを担当。

ソーシャルディスラプト最前線

Facebook、Twitterといった、いわゆる「ソーシャルネットワーク」が日々の生活にかかせないもの、あえて言えば"必須のインフラ"となったことで「ビジネス」の変化が急激に進んでいる。
電力インフラの整備が、モータリゼーションの加速が、パーソナルコンピューターの普及が、かつてビジネスの変化を決定づけたように、いま現在、「ソーシャル」はビジネスにどのような変化をもたらそうとしているのか?
実際にソーシャルを使ったビジネスで急激に成長するサービスを紹介しながら、その変化の兆しを探っていく。

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