チャートに基づいて株価の動向を予想するのはティーカップの底に残った茶葉の形で未来を占うのに等しい、と思われることがよくある。だが、現在の株式市場では、いわゆる「テクニカル分析」は全く的外れというわけでもなさそうだ。今月の株価の乱高下からは、投資家心理が垣間見える。当初、相場の上昇が加速したのは、個人投資家が「ボロ株買い」に走り、コロナ危機で大きな影響を受けている企業の株を買い漁ったからだ。投資家は、破産申請をした米レンタカー大手 ハーツ・グローバル・ホールディングスが発行を計画した株式さえも買おうとした。ところが、6月8日を境に、相場は急落した。この反転に関してよく挙げられている理由は、新型コロナウイルス感染の第2波に対する懸念が再び強まったことだ。だがこれ以降、株価は完全にではないものの、値を戻している。