ヒースロー空港
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【ロンドン】世界の航空業界は運航再開への準備を進めている。だが、世界有数の規模を誇る英ヒースロー空港の現状は、各国政府がどのように海外への渡航再開を認めるか決定するまで、それがいかに困難であるかを如実に物語っている。

 新型コロナウイルスの感染者数が減少に向かっていることを受け、米国や欧州諸国の大半は、アジアに続いて経済活動の再開に踏み切っている。だが、小売業界などでは需要回復の兆しが見られるものの、航空需要はまだ、全面的な回復には程遠い。例えば、米ユナイテッド航空は、6月の売上高が前年同月比で約9割減になると見込む。

 航空会社や空港は、海外旅行がなお停滞している状況について、渡航禁止や隔離の義務づけなど、政府の制限措置が一因だと指摘している。豪カンタス航空は18日、10月末までほとんどの国際便を運休すると発表した。オーストラリア政府がコロナ封じ込めに向け、来年まで国際便の乗り入れの多くを認めない方針を示唆したためだ。

 ヒースロー空港のジョン・ホランドケイ最高経営責任者(CEO)は「今後5~10年では市場規模は今より大きくなる」としながらも、「そのスピードは、各国がどの程度迅速に国境封鎖を解除するかに左右される」と話す。

 ヒースロー空港は、国際便の発着数で欧州トップ、世界でもドバイに次いで第2位の地位を占める。ハブ空港であるヒースロー空港はここにきて、国際便発着の再開を巡り、政府、公衆衛生当局者と航空業界幹部の対立の舞台となっている。例えば、英国では入国者に対し、到着後2週間の厳格な隔離措置を義務づけている。航空各社やヒースロー空港は撤廃を求めているが、政府はこれまでのところ態度を変えていない。