航空業界
コロナ禍でも夢を諦めず、挑戦し続けたことで客室乗務員の職をつかみ取ることができた

航空業界は新型コロナウイルス感染症の拡大で甚大な影響を受けた。人の移動が制限されたことで欠航が相次ぎ、開店休業状態を余儀なくされた。しかし、そんな未曾有の危機に見舞われた航空業界で、客室乗務員として働く夢を諦めず、挑戦した日本人女性がいた。子育てを終え、55歳にして新たなチャレンジを続け、見事夢をつかんだ一人の女性の物語をお届けする。(ジャーナリスト 草薙厚子)

3人の子育てを終えて
挑戦した学生時代からの夢

 WHO発表(6/15時点)によると、全世界の新型コロナウイルス感染症による死者数は42万人を超えた。最も被害が大きい米国では、これまでに10万人以上が死亡、約180万人以上が感染しており、終息への道のりはまだまだ遠い。

「今、ニューヨーク州のロチェスターのホテルにいます。その後、ワシントンDCに行って、またここのホテルに戻って、家に帰るのは3日後になります」

 東京アラートが発動されている中、新型コロナの感染を心配する日本にいる友人に送られてきたメールだ。

 このメールを送った女性の名前は奈々美さん(仮)。年齢は56歳で、米国人と結婚して、現在はニュージャージー州に住んでいる。彼女は昨年秋、長年の夢だった米国の大手航空会社の客室乗務員(CA)試験に合格。55歳で客室乗務員としてのデビューを果たしたのだ。

 奈々美さんは大学卒業時、健康上の問題でCAの夢を諦めなければならなかった。しかし、世界を飛び回る仕事に就くことをどうしても諦め切れず、卒業後はオーストラリアと米国を放浪した。そして1992年、28歳のときに現地で知り合った男性と結婚。その後3人の子どもに恵まれて、無事に成人を迎えた子どもたちは家から巣立っていった。

 そこで彼女はこれまでの人生を振り返り、残されているこれからの長い人生の時間をどう使ったらいいかを考えたという。