都市部
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AIシミュレーションからの示唆
「分散型社会」への転換

 コロナ後の社会について、「ニューノーマル(新常態)」という表現がよく使われる。だがそれでは、これまでが果たして「ノーマル」だったのかというと、たとえば、首都圏の朝の通勤ラッシュ一つをとっても、それはどう見ても「アブノーマル」と言わざるを得ない姿だろう。

 ある意味で日本社会全体が「3密(密閉、密集、密室)」だったともいえるのであり、このように考えると、今回のコロナ禍は、むしろこれまでの日本がいささかアブノーマルだった部分に“気づき”、それを(実は多くの人々が望んでいた)本来の人間的な働き方や生活に転換していく、良き意味での“外圧”ないし契機と、とらえられるのではないだろうか。

 コロナ後における“密”から“散”へという方向は、私自身も驚いたことだが、実は私たちの研究グループが3年前に公表した、日本社会の未来に関するAIを活用したシミュレーションの内容と大きく重なる。

 京都大学に設置された日立製作所の研究開発グループ(日立京大ラボ)との共同研究で、AIを活用して2050年に向けた日本社会の未来シナリオを探ったもので、この研究による提言のポイントも、「都市集中型」から「地方分散型」社会への転換という点だった。