習近平習近平の一人政治にますます拍車がかかる  Kevin Frayer/gettyimages

中国共産党が抱える
三つの時限爆弾

 なぜここに来て「中国問題」が山積しているのだろうか?

「急速に台頭する大国だから」というだけでは説明がつかない。「中国は共産党一党独裁の社会主義国だから」という理由でも説得力に欠く。

 急速に台頭する大国でも問題を起こさない国はあったし、社会主義中国の歴史を振り返っても、問題を起こさないどころか、改革や開放、対外関係の安定化などを通じて、国際社会から歓迎される時期もあった。

 香港問題、台湾問題、米中関係――。

 本連載の核心的課題である中国民主化研究、そして共産党の正統性という観点からして、中国共産党指導部を目下最も悩ませているのがこの3つであろう。いずれも、経済、主権、国際社会での立ち位置、そして「中華民族の偉大なる復興」に深く直結する問題である。戦略や対応を誤れば、国家の存亡すら左右しかねない時限爆弾を内包しているともいえる。