中国,中国共産党幹部,一国二制度
香港の「一国二制度」はどうなるのか。世界が固唾を飲んで見守っている Photo:Bloomberg/gettyimages

香港で「国歌法」成立強行
いよいよ深まる中国支配

 香港情勢は混迷の渦の真っただ中にある。

 物議を醸してきた「国歌法」が香港立法会(議会)を通過し正式に成立した。中国国歌「義勇軍行進曲」を侮辱する行為を禁じる法律で、民主派や多くの市民から反対や抗議を受けるなかで“強行”された。

 今後注目されるのは、全国人民代表大会で正式に制定された香港版「国家安全法」の具体的内容はどのようなものか、中央政府で国家安全を担当する機構がどのような形で香港に駐在し、香港警察側とどのように連携するのか、同法が国家安全の名義でどの範囲・程度の行為および活動まで取り締まるのか、そして同法の施行が引き金となり「一国二制度」「高度な自治」が有名無実化するのかどうか、といったところであろう。

 中国本土で10年以上生活し、言論統制がまん延する政治環境下で公共討論に関与してきた者として最も関心を持ち、警戒心を拭えないのが、中国共産党が同法を香港で施行する過程で、「国家安全」という概念をどう認識・解釈し、それらが実際の行動(監視、尾行、拘束、逮捕など)にどう反映されていくかという点である。