6月に移転した西麻布のゴーストキッチンズの店舗
6月に移転した西麻布のゴーストキッチンズの店舗。わずか16坪で20業態、年商1億円を目指す Photo by koyo yamamoto

コロナショックで大打撃の外食業界が、こぞって注力するデリバリー。その風に乗り、客席を持たない新業態「ゴーストレストラン」が、じわりと勢力を拡大中だ。外食業界のアフターコロナの主役になれるか。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)

看板、客席なしの人気“レストラン”
売り上げは「前月比で約1.2倍を毎月達成」

 6月中旬、東京・西麻布。ここに現在急成長中の“レストラン”が移転すると聞き、記者はオープン直前の店の取材に向かった。ところが、現地は閑静な住宅街。平日のランチタイムにもかかわらず、人通りはまばらだ。住宅風の建物があるだけで、看板や装飾はない。

 地図で場所を確認しつつ恐る恐る扉を開けると、コンクリートの打ちっぱなしの部屋に業務用冷蔵庫やレンジ台、タブレットなどが並び、4、5人の従業員がせわしなく開店準備を進めていた。レストランというよりも“作業場”に近い光景だ。そして何より、飲食店にあるはずの客席がない――。

 ここはデリバリー“だけ”で稼ぐ「ゴーストキッチンズ」。6月に目黒から拠点を移した。運営するゴーストレストラン研究所の吉見悠紀代表は、「移転前の目黒の店舗では前月比で約1.2倍の売り上げを毎月達成していた」と胸を張る。