ジョー・バイデン氏には今、メジャーリーグの伝説的な投手サチェル・ペイジが残した次のような名言が当てはまる。「振り返るな。何かが迫っているかもしれない」今のところ、ドナルド・トランプ大統領が2020年の大統領選でバイデン氏に迫っているようには見えない。むしろその逆で、各世論調査でトランプ氏の支持率はさらに低下している。だが投票日までには、まだ18週間ある。大きな衝撃が驚くほど定期的に訪れるトランプ時代には、永遠に感じられる時間だ。今から18週間前を振り返ってみよう。当時は米疾病対策センター(CDC)が米国人の新型コロナウイルス感染者数が53人だと厳密に伝えた時期で、国内初の死者が発表される直前だった。大きなニュースと言えば、トランプ氏の弾劾裁判終了と、セクハラ被害を告発する「#MeToo」運動のきっかけとなったハリウッドの元大物プロデューサー、ハーベイ・ワインスタイン被告の有罪判決だった。失業率は3.5%。ジョージ・フロイドさんはまだ生きていた。