都庁
現職の小池百合子都知事が有利と見られている今回の都知事選に潜む、波乱のタネとは(写真はイメージです) Photo:PIXTA

7月5日投開票予定の
都知事選は「奇妙な選挙」に?

 奇妙な選挙になりそうです。7月5日に投開票予定の東京都知事選の話です。

 今回の記事は、先日発売の拙著『日本経済予言の書』の中で、私が「6番目の予言」として述べたことと関連する話です。その予言とは、これから10年以内の間に、日本に「ポピュリズム政権交代」が起きる可能性があるというものです。

 実は、国政とは関係ないはずの東京都知事選に、そのポピュリズム台頭の兆しが見えます。順を追ってお話ししましょう。

 過去5年間、世界の政治情勢を振り返ると、ポピュリズムの台頭が顕著になっていることに気づかされます。アメリカではリーマンショック以降、一部の富裕層に富が集中する一方で、まじめに働いてきた中流層のアメリカ人が失業し、貧困層に転落し始めました。特にラストベルトと呼ばれる中西部の工業地帯で働く人々が、グローバル経済の中で職を失い、みじめな生活へと追いやられていきます。

 そこに出現したのがトランプ氏で、「職を奪うメキシコ国境に壁をつくる」「中国に高額の関税を求める」といった聞こえがいい政策を掲げて、アメリカ大統領に上り詰めました。イギリスではボリス・ジョンソン氏が、「EUから離脱すれば、イギリス人は経済的にもっと豊かになる」と説き、国民の支持を得てブレグジットを実現しました。

 いずれも、経済学的にはクエスチョン・マークのつく主張でありながら、国民の支持を得てダークホース的に政権を射止めたのです。

 ポピュリズムが台頭するメカニズムは、シンプルです。最初の原因をつくったのは資本主義経済の行き過ぎで、一部の富裕層や大企業に極端に富が集中する状態ができ上がったことです。資本主義の結果として、99%の国民が1%の富裕層に搾取される社会ができ上がったのですが、その結果、民主主義においては不満を持つ国民が多数派になりました。

 世界の大半の国々では、与党の政治家は1%の側の上級国民です。99%の国民の側の怒りがふつふつと湧き上がり、やがて沸点に達すると、民主主義国家では政権交代が起きます。そして、日本以外の国を見ると、新たに政権に就く政治家や政党は、国民が望む「平等」や「もっといい生活」を公約に掲げる、聞こえがいい人たちです。