高値を維持したい? ならば供給をしっかり抑えること。それが教科書に載っている戦略だ。ちょうど、主要産油国が定期的に試みているのと同じだ。しかし、旅行者は喜び、投資家は落胆するだろうが、航空会社がそれに成功する公算はさらに小さい。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)危機による航空会社の2020年の損害は800億ドル(約8兆6100億円)を超える。だが、まず短距離の移動制限が緩和され、格安航空会社の回復が早まるとの希望が浮上している。格安航空会社の株は今年約30%下落しているが、レガシーキャリア(既存の大手航空会社)は55%安と下落幅がずっと大きい。ロックダウンから解放された家計が支出や旅行に振り向けられるなか、ようやく現金が流れ始めている。6日には、ユーロ圏の5月の小売りデータが記録的な回復を示し、米国での同様の指標に続く形となった。欧州の格安航空会社ライアンエアーのマイケル・オリーリー最高経営責任者(CEO)は最近、英紙テレグラフに対し、英国人を夏の休暇先のスペインおよびイタリアに運ぶ7月第一陣の飛行機が3分の2超埋まっていると述べた。
航空会社はOPECにあらず、供給抑制に期待するな
大きな問題は利益の出る金額でチケットが売れるかどうか
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