通勤手当は飲み代に…(写真はイメージです) Photo:PIXTA

10歳年下の女性と同棲を始めた35歳の営業マン。それまで実家から職場まで通勤していたのだが、同棲先からは自転車通勤できるようになった。しかし、引っ越したことを会社には伝えておらず、月の通勤手当15万円は飲み代に消えていた…。果たして会社はどんな対応をしてくるのか。(社会保険労務士 木村政美)

<甲社概要>
都内にある食品卸売会社。従業員数は100名。
<登場人物>
A:35歳。大学卒業後、甲社営業課勤務。実家から遠距離通勤をしていたが、2年前からB子の自宅で同棲生活を送っている。
B子:25歳。Aの恋人。
C:35歳。Aの同僚で総務課所属。B子の自宅と同じ地域に住んでいる。
D:40歳。総務課長でCの上司。
E:甲社の顧問社労士。

月15万円の通勤手当を原資に
同棲する恋人と飲み歩く日々

 Aは入社当時、会社から電車で30分の場所にあるアパートで1人暮らしをしていた。しかし、入社5年目の秋、父親が突然病気で倒れてしまった。母親1人での看病は無理だと考えたAは実家に戻り、その後、会社まで片道2時間半かけて通勤するようになった。

 そして3年前のことだった。Aは大学時代の友人に誘われ、軽い気持ちで出会い系居酒屋に出かけた際、たまたま隣のテーブルで女友達と酒を飲んでいたB子に話しかけた。お互いに酒が好きで、しかもめっぽう強いことがわかりその場で意気投合、その後交際を始めた。

 LINEは毎日欠かさず、B子とのデートはひと月に1回、週末にAが父親の看病の合間を見つけて、都内の繁華街で落ち合うと昼間は付近のおしゃれなカフェ、夕方から終電の時間までは居酒屋をハシゴした。

 交際開始から1年後、Aの父親が亡くなると、B子の希望と、なんとか息子を結婚させたいAの母親の後押しもあり、甲社から自転車で15分の距離にあるB子のアパートに引っ越し、同棲生活を始めた。Aは、同棲してもなお実家通勤の体裁をとっていて、会社から支給される月15万円の通勤手当を原資にしてB子とアパート付近の居酒屋数軒を毎日のように飲み歩き、楽しい日々を送っていた。