「どうやって美しさを保つ?」「50代で結婚できる?」「年老いた親をどうする?」「50代で仕事を失ったら」「大人であることのメリット」……など、大人の女性のリアルを綴ってフランスで大人気となったブログを元に生まれた書籍『大人が自分らしく生きるためにずっと知りたかったこと』が、6月3日に発売。化粧品とテクノロジーの進化により、母親世代よりもずっと若く美しくなった今の女性たちですが、アクティブに人生を楽しんでいるように見えて、「みんな言わないけど、本当はどうしてるの?」「これって私だけ?」と密かに気になっていることがたくさんあるはず。この連載では、誰も教えてくれないリアルな恋愛事情と、大人としてのお作法について、著者の体験をもとに紹介していきます。

悲劇をもたらす男 その1

50代、バツ2で独身。<br />久しぶりにいい感じになった相手に突きつけられた現実photo by Adobe Stock

独りでいる期間が長くなりすぎた。不幸ではないけれども、やっぱり独り。出会いが欲しいなら出かけなくては、と私は考えた。パーティか食事に出かけて探してみようか? でも、招待されたいならば、まずはこちらが招かなくては。そのくらい簡単、ということで、招待状を書くことにした。その日を空けておいてと頼み、「各自がワインを一本持ってくること。連れて来たい人がいたら、誰でもOKよ」と書いて、最後に♡。よし、送信!

さて、当然、その中にお目当ての人がいた。背が高くて、髪の毛がなくて口べただけれど、大好きになった人。彼は、南仏に住んでいるドミニク(*男女どちらにも使える名前)という友人がパリに来るので、連れて行っていいかと聞いてきた。

「もちろんよ。なんでも好きなものを持ってきて。私はタルトを作るわ」と私。

「タルト?」彼が聞き返す。

「ええ、得意なの」。私は自慢げに答えた。

このときは、自分がどれだけ打ちのめされるかなんて知るよしもなかった。

招待客は約20名。準備が調った時、インターフォンが鳴った。