5月25日に緊急事態宣言が解除されても、なお2社の6月は大幅に落ち込んだ。都市部で人出が大幅に減った上、オフィス街などもリモートワークの進展もあり、人影はまばらで、飲食店も閑散としている。

 かつて一定地域に集中的に出店するドミナント(地域集中出店)戦略がコンビニの経営効率を高める武器とされてきたが、コロナ禍の今、「諸刃の剣」になった格好である。

 こうしたコロナの影響の直撃を受けているコンビニの姿を見て、世間は「もはやコンビニの時代は終わった」とか、「この先、コンビニの成長はない」という声に包まれている。

 折しも伊藤忠商事によるファミリーマートの完全子会社が、コンビニが岐路を迎えていることを如実に示しており、コンビニ業界には何とも逆風が吹き荒れている。

 しかし、コロナ禍による外出自粛が続いたコンビニの4、5、6月の売上高をよく精査していくと、ある変化に気付く。

 大手の売上高自体(セブン-イレブンンの6月を除いて)大きく減少しているし、客数もそれに比例して減少している。

 だが、ちょっと待ってほしい。大手3社ともに客単価自体は2ケタ、2ケタに近い伸び率を続けているのである。

 ちなみに、4、5、6月の客単価だけを見てみるとセブン-イレブンの4月は前年同月比11.4%増、5月は同13.7%増、6月は同9.7%増。ファミリーマートも4月は同9.3%増、5月は同11.2%増、6月は同7.8%増、ローソンも4月は同9.7%増、5月は同13.3%増、6月は同10.0%増という状態である。

東日本大震災では
コンビニに客が流入した

 数字だけ見れば、あまり価格に敏感ではないお客、また食品スーパーなどに買い物に行っていたお客が、「3密」状態を避けて比較的レジ待ち時間の少ないコンビニに流入、多めの買い上げ点数で、客単価を引き上げた姿が浮かび上がる。

 スーパーで購入しきれなかった生活必需品をコンビニで購入していくお客、または最初から食品スーパーや総合スーパーに行かず、近くのコンビニで買い物をすませていたお客が数字に織り込まれているといっていい。

 実は、このお客の微妙な行動の変化から読み取れることがある。