(1)「成果」評価型業務
 仕事のプロセスよりも成果だけが問われる。評価は主に加点法

 いわゆる数字で評価される営業職や企画職など。細かいミスを成果で挽回することが可能。たいていの場合は一人単位で評価される。協調性に乏しいが、独力で成果を追うことを好むタイプに向く。ADHD特性の強い人間が多く就労している業態でもある。

(2)「成果物」評価型業務
 たいていの場合は専門技能を生かした、何かをつくる業務。評価は加点法と減点法が入り混じる。

 プログラマーやデザイナーなど。成果物の出来や完成速度などが評価基準となる。評価はチーム単位の場合も個人単位の場合もある。専門技能の高さを生かしてそれ以外の問題をカバーできる場合がある。ASD特性の強い人間が就労していることの多い業態。

(3)「作業」評価型業務
 企業のバックオフィスなど、数字を上げるのではなくシステムの維持管理を主とする業務。当然ながら評価は減点法。逆転の機会は極めて少ない。

 事務職のほぼすべてはこれにあたる。当然ながら評価は減点法。逆転の機会は極めて少ない。たいていの場合はチーム単位で業務を行い、個人単位での成果ではなくチームでの成果が問題になる。個人で大きな成果を上げることがほぼ不可能な業務形態のため、チーム内での協調力が重要になる。いわゆる、「ホワイト事務職」はこの業務形態の場合が多い。

(4)マネジメント型業務
 進捗管理やマネジメントの業務。いわゆる管理職や経営者もこの枠に含まれる。評価は上司と部下両方から受けることになるため、加点法・減点法どちらかで考えるのは難しい

 また自分ではない人間の働きによって評価が定まるため、他人を動かす能力が必要になる。下請け会社に依頼して業務を行っていく場合などもこの業種に含まれる。複数の人間の間に立ち、折衝や調整を行う能力が必要。

 もちろん、プログラマーの中にも客先でお客様に折衝や提案をするような人もいらっしゃるでしょうし、工程管理やあるいは調整といった事務・管理職にまたがる色合いの仕事の人もいらっしゃるでしょう。この4つはあくまで目安なので、自分が転職しようとしている職業にどんな特徴があるかを、個別に見極める必要はあります。

「僕は働けない」は自己分析の解像度が低い

 ここで重要なのは自分の鬼門がどこにあるのかを、「解像度高く」知ることです。そのためには

・自分が圧倒的に苦手なこと
・努力で克服できそうなこと

をまずは洗い出してみてください。

 よくあるパターンとして「全部ダメだ。僕は働けない」となってしまう人がいるのですが(僕ももちろんそう思いました)、これはある種の思考停止です。自分が過去にできなかったことに向かい合い、理解するのは大きな苦痛を伴う作業です。それなら「自分は何もかもダメだ」に逃げ込んだほうがラクだという気持ちは痛いほどわかります。

 しかし、それでは再起者のせっかくのメリットを活かせません。ここはあえて自分の経験の中からソリッドに「これは確定的に自分にはできないことだ」と思えるものを絞りこんでください。

 僕の場合、金融機関でマルチタスクの事務が破滅的にやれなかったという経験と、日常業務の中でどうしてもミスが多くなるという自己理解から、(3)が確定的に向いてない、という判断で仕事を探しました。減点法の職場をとにかく避けるということですね。