ドナルド・トランプ米大統領の異例の外交政策は、マスコミによる糾弾の雑音に埋もれ、良しあしを区別するのが難しいことがある。欠陥のあった軍縮協定を破棄するなど、外交政策エリートに冷笑された一部の施策は賢明なものだった。しかし、ドイツ駐留米軍の約1万2000人を撤退させる計画は、非凡なポピュリストによる偉業とは到底言えない。これは米国にとって打撃であり、トランプ氏が懸念を主張するコスト削減目標は達成できなくなるだろう。アンゲラ・メルケル独首相との関係が悪化する中、トランプ氏は6月、駐留米軍の兵士数千人のドイツからの撤退を命じた。マーク・エスパー米国防長官は29日、その計画の概要を発表。独駐留米軍を3万6000人から2万4000人に削減し、このうち約5600人をベルギーやイタリアなど欧州の別の国に移し、6400人を米国に戻すことを明らかにした。
【社説】独駐留米軍削減、トランプ氏の腹いせ
米国の軍事態勢を損なうだけで得るものは何もない
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