会社のあらゆる面での対応の遅さを間近に見て、上田さんの社会人生活への不安は膨らんでいった。

「課題の内容も、指定した本を読んで感想文を書くというもの。なんだか学生の宿題みたいですよね。その後、5月に入ってようやくリモートでの研修の準備が整ったとのことで、5月中は週に2回、自宅で研修を受けていました」

 4月と5月の2カ月間、ろくに働かずして給料が8割も支払われた状況に、上田さんは衝撃を受けたという。同時に、「働くことへのモチベーションが完全になくなりました」と苦笑する。

「課題と研修の時間以外はやることもないので、ずっとゲームをしていました。そんな状態でも給料がもらえるわけですから、仕事へのやる気なんてなくなりますよ。『このまま働かずに給料をもらい続けたい…』と、強く思いました」

 6月に入り、上田さんの会社は通常業務に戻った。営業という職種柄、リモートでの業務だけでは難しい部分が多く、毎日の出社を余儀なくされている。

「働かずに給料が支払われたのは2カ月間だけでしたが、労働意欲が消えるには十分でした。恥ずかしながら『サボりぐせ』のようなものも身に付いてしまいましたしね。毎日満員電車に乗りながら、もっとラクに稼げる仕事に転職したいということばかり考えています」

レジャー施設に入社してから3カ月、
出勤日数はたったの7日間だけ

「4月に入社してから今日までに、出社したのは2日間だけ。6月の出勤予定日も5日間しかありません」

 そう話すのは、中部地方にある某レジャー施設に勤務することになった織田みちるさん(22歳・仮名)。織田さんがこれまでに出社したのは、4月1日の入社式と、翌日の研修のみだ。

「入社式はソーシャルディスタンスを保って行われました。翌日以降の研修も『3密』にならないよう注意しながら行うとのことだったので、『大変な時期だけど頑張ろう!』と、思っていたのですが…」