このところ米国の公職指導者が党派間で合意できるテーマはほぼ皆無のように思われる。だが、29日に米下院司法委員会の反トラスト小委員会が開いた公聴会は、彼らに共通のターゲットがあることを明確に証明した。共和・民主両党の下院司法委員会メンバーは、時として険悪で、政治色の濃いやり取りに終始してきたが、公聴会の開始早々、恐らく最も興味深い一節が聞かれた。反トラスト小委員会のデービッド・シシリン委員長(民主、ロードアイランド州)が、ケン・バック下院議員(共和、コロラド州)のものだとする発言を引用したのだ。「これは私が議会に関わった5年半の中で最も超党派といえる取り組みだ」これに続き、米企業の時価総額上位5社のうち4社(アップル、アマゾン・ドット・コム、グーグル親会社アルファベット、フェイスブック)のトップが、党派を超えた非難を浴びせられた。それは新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)時代の壮大な尋問ショーであり、過去には他業界の首脳(たばこ、金融、エネルギー、鉄鋼など)が最も影響力を発揮していた頃にやはり議会で厳しく問い詰められたことをほうふつとさせる。ただし今回は、ビデオ会議ソフトを通じて最高経営責任者(CEO)が公聴会に臨んだことがこれまでとは異なる。