クラスター発生の懸念もあり、企業も取引先との外食や職場での宴会の開催などに対して慎重だ。採用支援事業などを手掛けるツナググループ・ホールディングスが運営するツナグ働き方研究所が、全国の正社員として働く男女を対象に6月に行った調査(有効回答数:953人)によれば、職場での飲み会を禁止している企業は20.7%だったという。飲み会に対して人数規制など、何らかの制限を設けている企業まで合わせると51.6%と、半数に上った。

 また多くの企業でテレワークが普及し始めていることも、外食を利用する顧客の変化に影響を与えているようだ。「テレワークを行っているお客さまが多く、“地元飲み”感がある」(本橋氏)

 感染防止対策のため席数や営業時間にも制限がある状況で、店を訪れる客層にも変化が見られている。こうした中、飲食店が抱えるもう一つの大きな課題が、「いかに利益を確保するか」だ。

“居酒屋”は消えるのか

 用賀倶楽部では、ディナーの営業時間を以前より1時間早くした。テーブル間隔を調整しているため満席でも以前の7~8割程度の客数だが、早い時間帯でファミリー層が来店するなど、回転数が増えたという。

 加えて、売り上げ向上に貢献しているのが、コロナ禍で始めたテークアウトだ。ただ、緊急事態宣言が解除されたこともあり、「今は落ち着きつつある」と藤枝氏。そうした中で、新たな収益源として期待されるのが、弁当販売店やバー、カフェなど、他事業者への業務用販売だ。

「ステーキソースのほか、一部の総菜などを冷凍したり、真空パックにしたりして業務用に販売しています。売り上げの柱としてはまだ細いですが、徐々にオーダーも増えてきています」(藤枝氏)

 感染拡大リスクが残る中、客足がどのように変化するのか、見通しが立たない状況が続く。店内営業のほかにもう一つ売り上げの柱を作ることが、飲食店にとって収益確保の道筋となっている。