リスクを恐れず、人とは違う新しいことに挑戦する若者たち。そのモチベーションはどのように育まれてきたのか。今回は、心のケアを必要とする人々向けの、臨床心理士によるオンラインメンタル相談サービス「リミー(Reme)」の事業責任者を務める近藤雄太郎さん。幼なじみで初恋の人でもあった女の子が、中学時代に自殺したことが原体験となっているそうです。(聞き手/ダイヤモンド編集部論説委員・深澤 献)

初恋の幼なじみの自殺と
中学受験のリベンジ

――どんな子供でしたか。

近藤雄太郎NOMAL取締役Reme事業責任者Photo by Masato Kato 拡大画像表示

 小学生の頃は、冷めていましたね。きっかけは、中学受験に向けて塾に行き始めたことです。もともと学校の成績は中の上という感じでしたが、塾ではだんだんと勉強ができなくなってしまいました。できないと、塾の先生が怒るんですよ。それでやる気がなくなって、また成績が下がるという負のループにはまってしまいました。

 自営業の父、専業主婦の母は共に高卒なので、大学に行ってほしいと言っていましたし、目標をMARCHくらいに置いているのも知っていました。なのに期待に応えられず、変に諦めている感じで、自分を押し殺していました。

 工学院大学附属中を受けたのは、他に全然受からなかったからです。どこも落ちて、願書を出したのは試験直前。それまで見に行ったこともありませんでした。

 なんで親はこんなに中学受験にこだわるんだろうとも思ったのですが、ようやく合格したときには、「もうこれで受験しなくていいんだ」と解放された気分でした。

 ただ、私立といっても偏差値は35程度だし、地元のお金持ちの家で育った不良みたいな子も多くて、でもそういう子に限って、先生の前では要領が良くてかわいげがあって、僕のような平均的な人間には、居心地が悪かったですね。