ドナルド・トランプ米大統領が貿易や外交を不動産取引のように扱うのは目新しいことではない。そしてトランプ氏が3日に、中国のソーシャルメディア企業の北京字節跳動科技(バイトダンス)傘下の「TikTok(ティックトック)」のマイクロソフトへの売却を承認する見返りとして、バイトダンスに対し米財務省への「礼金」を払うよう要求したことも、彼の取引重視の政治が自身の政権の戦略的責務をいかに損なうかを示す新たな事例となった。米国や他の諸国で影響力を拡大しており、世界で7番目の人気を誇るソーシャルメディア・アプリのティックトックは、価値ある「不動産」だ。ティックトックのユーザーは、短い動画を作成し、それを友人らと共有することができる。このため同アプリの人気は、多くの若者の間で急速に高まっている。問題はバイトダンスが中国企業だということだ。それは同社が、中国を支配する共産党の要求に応じなければならないことを意味する。