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今年の夏がこんなことになるとは、誰も予想していなかっただろう。そしてまた来年がどうなるかも、予想がつかない状況が続いている。東京オリパラは開催するのか、延期か、はたまた中止なのか。市井の人の思いをゆるく聞いてみた。(フリーライター 武藤弘樹)

開催1年延期の五輪
先行き不安に揺れる世論

 思えばエンブレムのデザイン盗用問題や招致委員会理事長の贈賄疑惑などですったもんだを経て、ようやくたどり着いた2020東京オリンピック・パラリンピックだが、今年に入って誰もが予想だにしていなかった最大級の難局を迎えた。新型コロナウイルスのパンデミックである。 

 新型コロナの影響を受けて開催が1年後に延期となったわけだが、この決定は国民総意の祝福を受けているとは到底言い難く、世論をズタズタに分断した状態で、雲行きは甚だあやしいのである。
 
 2021年開催に関する世論調査は複数行われている。そもそも世論調査は実施した団体によって数字に偏りが見られることがあるので、調査結果を眺めるにあたって警戒を要するが、それでも7月に行われた世論調査では、「2021年7月にオリンピックは開催されるべきか」という質問に対しては大体、「再延期すべきだ」が最も多く30%半ばで、「中止すべきだ」が30%前後、「開催すべきだ」が25~30%超という数字を示している。

 なお「開催すべきだ」と「中止すべきだ」が2位争いをしていて、世論調査によって順位が違う(「開催すべきだ」が3位になる世論調査が多い)。間違いなく言えるのは1~3位まで比較的僅差の接戦であり、世論がもつれにもつれていることを示しているということである。
 
“世論調査”と聞くといかにも「世の意見」という、こちらを身構えさせる趣がある。識者が発信する意見はもっと強い(識者たる人たちはなめられてはいけないので、しかるべき形式で白か黒かしっかり意見しなくてはならない立場にあり、意見に身構えさせ効果が生じるのは宿命である)。
 
 筆者は必要に応じて「ソーシャルライター」などと横文字を名乗ることこそあるが、およそ識者ではなくただの中年ライターなので、この連載も炭酸が抜けた飲料水のようなものなので、ここでしかできないこととして、もっとゆるく、「街の声」的なものを拾ってまずは紹介したい。