日韓関係は
新たな局面を迎える可能性
8月4日、元徴用工訴訟で韓国の裁判所が出した、日本製鉄の資産差し押さえ命令の効力が発生した。それによって、日韓関係は新たな局面を迎える可能性がある。今後、韓国が差し押さえた、わが国企業の資産を処分することが現実になると、わが国としてはそれに対する厳然とした対応を行わなければならないからだ。
韓国側の資産処分措置は、明らかに、1965年の日韓請求権協定を完全に無視している。今後の展開によっては、日韓関係がさらに厳しい状況になる可能性もある。そうした懸念について、文大統領としても相応の認識はあるはずだ。
一方、韓国に対して国際世論が変化し始めていることも見逃せない。その背景には、文大統領の対米、中、北朝鮮政策に一貫した理念がないことが影響している。文大統領のスタンスは、国際世論の対韓不安心理をさらに高める一因となるだろう。文氏は、自らが自国の国際的な信用に傷をつけていることをあまり気にしていないようだ。
今後、韓国の裁判所が本当に資産売却を命じた場合、わが国は報復措置を取らざるを得ない。その際、韓国がことさらにわが国への非難を強めることが予想される。わが国に必要なことは、とにかく韓国に毅然とした態度で接することだ。