「必ずもうかる話」は「必ず損する話」

 老後資金との関係で、最も多い詐欺は、おそらく「必ずもうかる投資話」だろう。「老後資金の蓄えが足りないから、頑張って増やさなければ」と思っていると、もうけ話にうっかり乗ってしまいやすいのである。

 重要なことは、「必ずもうかる話」など世の中には存在しないのだ、ということである。「虎穴に入らずんば虎子を得ず」である。読者が草原で昼寝をしていたら虎の子が挨拶しに来た、などということはあり得ないのだ。

 世の中には、金も情報も時間もある強欲な投資家たちがもうけ話を探し回っている。したがって、万が一虎の子が迷子になって歩き回っていたとしても、読者の所に到着する前に誰かが捕まえているはずなのだ。

「必ずもうかる話」が目の前にぶら下がっていたら、それは「必ず損する話」だと考えよう。「絶対に虎の子ではない」という証拠はなくとも、確率的には限りなくゼロに近いだろうから。

相手の立場に立って考えることが重要

 筆者の好きな言葉に「相手の立場に立って考える」がある。これは「優しい心で相手を思いやる」だけではない。将棋や囲碁で「何をやられたら対戦相手が一番嫌がるか」を考えるのと同様、ライバルの嫌がることをするのがビジネスだ。

 読者に「必ずもうかる話」を紹介してくれた人がいたら、その人の立場に立って考えてみよう。「自分が必ずもうかる投資案件を知っていたら、見知らぬ人に紹介してあげるだろうか」と。それだけで、詐欺に遭う確率は大幅に低下するはずだ。