香港に住む外国人のコミュニティーが縮小している。中国による新たな言論・政治活動規制や激しい抗議活動を背景に、アジアの金融ハブに住んで働くことの魅力が低下している。ここ数カ月、労働者や家族の香港脱出ペースは加速している。企業幹部のリクルーターによると、中国が新たに国家安全維持法を制定したことで、欧米の幹部候補を説得し香港に呼び寄せるのは既に一段と難しくなっている。香港の移民局が技能労働者向けに発給したビザの数は、1~6月で7717件と、前年同期の1万9756件から60%余り減少した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)も一因とみられる。金融業界の従業員の中にも香港を出た人たちはいるが、多くは今のところとどまっている。香港の投資銀行や資産運用会社の事業は活発であり、背景には中国企業による一連の株式上場や債券発行、今年の大量の資本流入がある。