雇用は7月も回復が続いた。この先もそれが持続するかどうかを判断するには、3つのことを注視する必要がある。議会の動向、学校の動向、新型コロナウイルスの動向だ。米労働省が7日発表した雇用統計では、就業者数が約176万人増加した。6月の479万人増からは伸びが鈍化したものの、好ましい兆候ではある。コロナ感染が再び拡大し、規制措置が強化される一方で、企業はコロナ危機の最悪期に一時解雇した従業員を呼び戻しており、コロナによる打撃が大きかったレストランなどの業界ではとりわけこの動きが顕著だ。ただ、2月に比べると雇用者数は1288万人下回っており、完全回復には程遠い。失業者が膨大な数に上るほか、春に導入された支援策の多くがすでに支出済みで、週600ドルの失業給付金上乗せは7月末で失効した。多くの家計は生活の維持に四苦八苦している。それでもなお、新たな支援策の規模と期間を巡り、ホワイトハウスと上院共和党、下院民主党が対立を続けている。実際、7月の雇用統計と高値圏にある米国株の水準を見れば、ホワイトハウスと共和党は、さらなる支援策はそれほど必要ではないと判断する可能性がある。