食育加工大手のタイソン・フーズとクルーズ船運営大手のロイヤル・カリビアン・クルーズにはあまり共通点がないように見えるが、両社とも最近幹部チームに「最高医療責任者(CMO)」を追加している。両社の業界は全く異なるが、いずれも業務を数千人の低賃金労働者に頼っている。その労働環境は船内や工場での新型コロナウイルス感染拡大につながり、事業の広範な混乱や一部労働者の罹患(りかん)を招いた。タイソンとロイヤル・カリビアンは、CMO指名の理由について、従業員と消費者の安全を守るのに専門の医療アドバイスが必要なためだとしている。大半の企業にはCMOはいないが、健康に関する専門知識を求めるなか選択肢を探る企業が増えている。従来、CMOのいる企業はヘルスケアや医薬品や大手病院システムに多い傾向がある。CMOが医師や研究者のチームを管理し、製品開発を手助けするのだ。例えば、アスラン・ファーマスーティカルズとセレクタ・バイオサイエンシズは今月新たなCMOを指名した。