チョコレートや衣服などの原料の価格は、新型コロナウイルス流行による急落から持ち直している。供給ひっ迫や、景気回復で消費者需要が戻るとの思惑が背景にある。米インターコンチネンタル取引所(ICE)のカカオ豆やコーヒー豆などのソフトコモディティー取引は今年の安値から回復し、足元では世界の主要資産でもとりわけ好調なパフォーマンスに数えられる。ここ1カ月だけでも、カカオ豆先物は15%上昇して1トン=2448ドル、コーヒー先物は14%高の1ポンド=1.11ドルに達している。このところ綿花や砂糖の先物も急伸し、5月1日以降これまでで、それぞれ11%高と20%高となっている。世界各地で企業活動が停止し、ロックダウン(都市封鎖)が実施された際には、多くのソフトコモディティーが大幅下落を記録したが、その流れが反転した形だ。カカオ豆先物は3月に17%下落、綿花は18%、砂糖は27%の急落となった。コーヒーは同月、一時的に値上がりする場面もあったが、3月1日から5月末の間に15%下落した。