レバノンでは10日に内閣が総辞職したことを受け、翌11日には指導者らの関心が新政府樹立へと移った。同国では、多くの死者を出した先週のベイルートでの爆発事故をきっかけに政治変革を求める抗議行動が続いていた。ミシェル・アウン大統領は、辞意を表明したハッサン・ディアブ首相と彼の内閣に対し、新政権が成立するまでの間、限定的な権限の下で暫定政府としての機能を維持するよう要請した。アナリストによると、誰が次期首相を務めるべきか明確な合意がない状況下でアウン大統領は、ディアブ政権を当面存続させる以外にほとんど選択肢がなかったという。カーネギー中東センター(ベイルート)のマハ・ヤヒア所長は「率直に言って、われわれはどん底に向かうフリーフォールの状態にある。早急に新政権が樹立され、新政権がこのどん底状態から抜け出すための何らかの計画を提示し始めなければ、さらに落下を続けるだけだ」と語った。
レバノン危機深刻化、権力の空白埋められるか
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