中国経済は7月も新型コロナウイルスで受けた打撃からの回復プロセスが続いた。ただ国内外での山積する課題や、政府による刺激策の後退が、景気の勢いをやや冷やす形となった。国家統計局が14日発表した7月の鉱工業生産は前年同月比4.8%増と、6月と同じ伸びを維持したものの、エコノミスト予想の5.0%増には届かなかった。さらに憂慮されるのは、消費動向を判断する目安となる小売売上高がマイナス圏にとどまったことだ。中国各地の外食産業や小売業が営業を再開したものの、7月の小売売上高は前年同月比1.1%減と、6月の1.8%減より改善したとはいえ、エコノミストらが予測していた前年並みの水準には届かなかった。これで小売売上高の伸び率は今年1~7月のすべてでマイナスとなった。