中国疾病対策予防センター(中国CDC)を率いる高福氏(58)は毎日1万歩を歩き、寝る前にオンラインでニュースをチェックするのが日課だ。12月30日にフィードをチェックしていた時、驚いた。地方政府から漏れ出た2つの通知が、大都市・武漢での説明がつかない肺炎の例について警告していた。高氏と親しい人々によると、高氏がこの流行について聞くのは初めてだった。ウイルス学者の高氏が武漢の疾病管理事務所の所長に電話すると、所長は流行を認め、警戒感を強める高氏に対し、状況は少なくとも12月1日から続いており、すでに疑わしいケースが25例あると打ち明けたという。このような事態は想定されていなかった。中国CDCとして知られる高氏の機関は2002年、しばしば中国南部で起きる流行病を検知・阻止するために設立された。その使命は、同年に重症急性呼吸器症候群(SARS)が流行してから喫緊性が増した。