本当に孤独で大丈夫な人はいない
もちぎ:自分の友人は飲み屋で知り合った20代、30代が多いんですけど、その子らは飲み屋に行くという行動に出られる人たちだから、孤独について話すことがほとんどないんです。でも、自分たちのTwitterや本の読者には孤独感に駆られている人も多いと思います。孤独が怖い、コンプレックスに感じている人って、どうしたらいいんでしょうか?
精神科医Tomy:ボク自身も孤独が苦手です。「1人でいるのが好き」っていうのは、1人でいる時間とか空間が好きなだけであって、孤独とはまた違います。実際には、誰かとつながっているからこそ、1人の時間を楽しめるんだと思うんですね。
もちぎ:帰るべき場所があるってことですもんね。
精神科医Tomy:そう考えると、本当に孤独が好きとか大丈夫とかいう人はあまりいないと思うんです。「誰とも接点がない」「社会に自分がいてもいなくてもわからない」というのが孤独だとすると、答えは「接点を作る」ことです。孤独になるのがつらかったら、どんなやり方でもいいので、接点を作るために行動してみる。探せばサークルでも麻雀大会でも、いろいろあります。
患者さんにも「いろんなことがあって孤独になってしまった」みたいにおっしゃる人もいますが、実際にはその人にも友人がいて、友人に支えられて元気になるようなケースがよくあります。だから本当の孤独というのは、そうそうあるものじゃないということです。つながっている誰かのことを思えば、「生きていてもいいかな」と感じられるものなんです。
「自分にも行ける場所がある」と思ってほしい
もちぎ:人との接点の作り方がわからなくて、人に迷惑をかけてしまう人もいますね。炎上系のYouTuberとか、コンビニで店員に怒鳴ってしまう年配の人って、どうやって人とつながったらいいのかわからないんじゃないかなって思います。
自分は将来、ゲイバーを開きたいと思っているんです。夜中って孤独を感じやすい時間だと思うんですけど、その時間に人のいる空間に身を置くことでちょっと孤独がやわらぐかな、と。自分がゲイバーを始めたら、孤独な人に来てもらって一緒に楽しみたい。それが自分のやれることだと考えているんです。
精神科医Tomy:すごくいいことだと思うし、夢がありますね。ボクも振り返ってみると、大変なことが起きたときには、やっぱり誰かそばにいてほしいと思いました。そういう場を提供したいというのは素敵な発想です。
もちぎ:「自分にも行ける場所がある」って思ってもらえたら嬉しいですね。
精神科医Tomy:そんな場所があったらいいですね。お店ができたあかつきには、ぜひお邪魔させてください。