としまえん
8月末で閉園する「としまえん」はなぜ豊島区ではなく練馬区にあるのか Photo by Akiko Onodera

今年の夏は新型コロナ予防による外出自粛で旅行をガマンした人が多いのではないでしょうか。そこで今回は、家にいながら旅行気分を味わえる、おもしろ地理学会の『フシギな謎と新発見!読んで旅する秘密の地図帳』(青春出版社)から、国内の人気スポットにまつわる意外な裏話を紹介します。

「としまえん」はなぜ豊島区ではなく練馬区にある?

 2020年に、94年の歴史に幕を閉じる「としまえん」。最寄駅は西武池袋線と都営大江戸線でいずれも「豊島園駅」。その名から、としまえんは東京都豊島区にあると思っている人もいるだろう。

 ところが、としまえんがあるのは、豊島区の東隣の練馬区内。そもそも「としまえん」の「としま」は、地名でなく、人名にちなんでいるのだ。

 としまえんは、室町時代半ばまで、今の東京北西部で栄えた豊島氏にちなんでいる。ところが、豊島氏は文明9年(1477年)に太田道灌との戦いに敗れ、滅亡。豊島氏の本拠地だった練馬城は廃城となり、その後は林や耕作地となり、明治時代後期には公園になっていた。

 大正6年、その土地を、樺太工業(後の王子製紙)専務だった藤田好三郎が購入。藤田は、さらに上石神井川北側の土地などを追加購入し、昭和2年(1927年)に遊園地を開園。その際、名前を豊島氏からとったのだ。