リモートで働くIT業界では従業員がより自由にリモートで働くのを認める企業が増えている Photo:Cayce Clifford for The Wall Street Journal

 米サンフランシスコ・ベイエリア地区は、法外な物価や長時間の通勤地獄が原因でいずれ人口流出が起こるのではと何年も前から言われていた。しかし、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前は、この地区を去ることは国内有数の高給で名誉ある仕事から遠ざかることを意味した。

 だが、ついに流出が起こりつつあることを示す兆しがある。米国のイノベーション(技術革新)を象徴するシリコンバレーは以前と同じ状態ではいられないかもしれない。

 IT(情報技術)業界では従業員がより自由にリモートで働くことを認める企業が増えており、この機に乗じて転出という選択肢を選ぶ従業員が増えている。こうしたシフトはベイエリアだけでなく、そうしたIT労働者が新たに居を構える都市をも変化させる可能性がある。

 こうした動きは始まったばかりであり、どういう人々が去って、どこに向かっているのかその全容はまだ分からない。しかし、その証拠はある。

 データ分析会社に勤めるジャスティン・トンプソンさんと妻は今夏、サンフランシスコから引っ越すことを決めたが、そうするのが彼らだけでないことを示す証拠が2つあった。賃貸アパートに5年間暮らしていた2人は、アリゾナ州フェニックスに寝室が3つある家を購入することを決めた。