リクルートリクルートは2月18日からリモートワークの推奨を始めるなど、迅速なコロナ対応を行った企業の1つだ Photo:Diamond

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて外出自粛を強いられる中で、戸惑いながら在宅勤務を始めた企業も少なくなかっただろう。そうした中で、日本国内でコロナ感染が拡大する前の2月からリモートワークを推奨し、緊急事態宣言中には95%以上の在宅勤務率を実現したのがリクルートだ。なぜ同社は迅速にリモートワークへと移行できたのか。リクルートの佐野敦司・総務統括室室長と同社働き方変革室の二葉美智子氏に話を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・セレクト編集部 林恭子)

2月18日からリモートワーク推奨
緊急事態中は95%超の在宅勤務率に

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、多くのビジネスパーソンに起きた変化の1つが「リモートワーク」や「在宅勤務」だろう。そうした中でも、特に高い在宅勤務率を実現しているのがリクルートだ。リクルートの佐野敦司・総務統括室室長は、緊急事態宣言中の実態をこう語る。

「緊急事態宣言中は、原則全員が在宅勤務に移行した。例外的に、決算対応や支払・請求業務に関わる経理担当者、基幹システムの障害発生対応する者など、どうしても必要だと認められる事例が発生した場合は組織長の許可を得るなどして出社するケースもあったが、リクルートホールディングス、リクルートとその配下会社の従業員のオフィス入退館ログに基づいた全体の非出社率=在宅勤務率は95%以上だった」

 緊急事態宣言が解除された現在も、引き続き在宅勤務を強く推奨しており、同時に出社する人数は各組織単位で最大でも在籍者の50%までを原則としている。

「業務上やむを得ない場合は、感染予防対策を徹底した上で、事業責任者の判断によって超過を認めている部署もある。また、地方の少人数拠点は小所帯であるゆえに1人が出社することでの数値の振れ幅が大きく、時には50%前後になることもある」(佐野室長)が、6月も全体では80~85%程度の非出社率(在宅勤務率)で進捗しているという。

 リクルートは、コロナの感染が日本国内で拡大する前の2月18日から順次、従業員にリモートワークや時差出勤の実施を推奨することを決めた。多くの企業がこれらの実施に戸惑った中で、なぜ迅速でスムーズな対応が可能だったのか。