次の総理が最優先で取り組むべき課題は何か

 さて、安倍総理の辞任を受けて自民党の総裁選が行われることになりますが、それでは誰が次の総理にふさわしいでしょうか。個人的には、次の総理に求められる政策から逆算すると、菅義偉官房長官しかないと思います。

 そもそも、次の総理がまず最初に取り組むべき課題は何でしょうか。もちろん外交・安全保障でも課題は山積みですが、緊急度という点ではやはりコロナ対応が最優先になると思います。

 コロナ対応を因数分解すると、感染防止策と経済再生策の二つに分類できます。

 感染防止策については、安倍総理が辞任会見で冬の再流行に向けた対応策を発表しましたが、最も重要な政策が抜けています。それは特措法(新型インフルエンザ対策等特別措置法)の改正です。感染防止の主役は政府より自治体の首長なのですから、次の再流行の前に早く改正すべきです。

 この特措法の改正の必要性は数カ月前から明らかなのに、なぜ政府は改正しようとしないのでしょうか。直感的には厚労省が改正したがらないからだと思います。特措法改正は、感染症対応を中央集権から地方分権に直す大きな改革となるので、ただでさえコロナ対応で忙しい中、官僚の立場からはそんな面倒臭い法律改正はやりたくなくて当然です。

 ただ、官僚の思惑なんて知ったことではありません。そもそも安倍政権のコロナ対応が後手後手に回ったのも、厚労省の動きの悪さと遅さにあることを考えると、次の総理には、嫌がる厚労省にこの大改革をやらせる政治的意思と腕力が必要となるのです。

 次に経済再生策については、4〜6月の経済成長率の大幅な落ち込みを踏まえてGDPの数字を計算すると、何よりも必要となるのは再度の大規模な補正予算か、時限的な消費税減税です。ただ、当たり前ですが、そのどちらにしても財務省は非常に嫌がります。しかし、そのどちらかをやらないと、リーマン後のように世界の中で日本経済だけ立ち直りが遅れることとなりかねません。

 従って次の総理には、財務省の言いなりにならず、むしろ財務省にそれらを無理矢理にでもやらせる政治的意思と腕力が、ここでも不可欠となります。

 それに加えて、これまでの政府のコロナ対応での経済再生策は、一貫性がなく非常に場当たり的でした。この連載で前回書いた(『旅行業界は「振興」でエンタメは「規制」、一貫性ない政府のコロナ対策』)ように、同じサービス業で観光業は振興して、エンタメのイベントや飲食業は規制するという矛盾がその典型です。

 従って、その再整理を早急に行う必要があることを考えると、安倍政権の内部で政策に関わってきたという継続性も大事かと思います。