ネガティブな言葉を多用していないか

 実は、とても簡単で有効な方法がある。ネガティブなフレーズの代わりにポジティブなフレーズを使う、指示・命令の代わりに質問をすることだ。

 それなら普段からやっていると思った上司は、業務報告書に返答した記述の中のネガティブフレーズとポジティブフレーズの数をおのおの数えてみることをお勧めする。チームミーティングを録画してみて、自分の発言における指示・命令と質問の数をカウントしてみてもいい。

 実際に演習をしてみると、多くの人が「自分ではポジティブフレーズを使っているつもりなのに、意外に少ないことに驚いた」と言う。「質問しようとしているが、つい、指示・命令を多用してしまっていた」ということに自ら気付く人もいる。

 重要なのは、自分で自分のコメントや話法を確認することだ。誰しも、他の人から「ああしろ、こうしろ」と言われて動くよりも、自ら気付いて動いたことの方が、長続きして身になるからである。

 在宅勤務中こそ、きめ細かなコミュニケーションによる上司・部下の信頼関係の構築が必要不可欠だ。一方的に勤務状況の管理を強化するのではなく、部下の働くモチベーションを上げるような反応ができているか上司自身が振り返ってみるといいだろう。