米国を見舞う経済と公衆衛生の「双子の危機」により、ドナルド・トランプ、ジョー・バイデン両陣営による米大統領選後をにらんだ準備は、異例の対応を迫られている。両陣営は目下、トランプ大統領の再選後、またはバイデン政権誕生後に向けた円滑な移行計画の策定を粛々と進めている。骨の折れる作業だが、通常は政権奪還を目指す野党側の負担の方が大きい。バイデン氏のチームは、同氏が選挙戦で掲げた包括的な公約を具体的な政策に落とし込むだけではなく、それを担当する数千人規模の陣容を集め、政府機関の人事を固める必要がある。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が続く中、記録的なスピードでワクチンが承認されたとしても、新政権に移行する来年1月時点ではまだ収束していない可能性が高く、景気低迷からも抜け出せていないだろう。選挙結果がすぐに判明しないとか、もしくは敗者側が結果に疑問を呈するといった状況になれば、政権移行にさらなる影響が及びかねない。
米大統領選後も「修羅場」、異例づくしの移行準備
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