ロシアで新型コロナウイルスの感染者が急増した4月、ウラジーミル・プーチン大統領は国内の有能な科学者や医療当局者とビデオ会議を行い、「あらゆる手を尽くして直ちに国家のワクチンを開発せよ」との緊急指令を出した。4週間後、国営ガマレヤ疫学・微生物学研究所のアレクサンダー・ギンツバーグ所長は国営テレビで、研究員らがワクチンを開発したと発表。安全性を確信しており、研究員らは既に自分たちに接種したと述べた。プーチン氏は先月、ガマレヤのワクチン承認を意気揚々と発表。新型コロナ感染症(COVID-19)流行の抑制を目指して世界が競う中、初めてワクチンを認可した国となった。ロシア政府が自認する勝利は、科学者や欧米政治家に懐疑的に受け止められた。ロシアの研究者はボランティアわずか76人に対して早期段階の治験を完了したにすぎず、その結果は一切公表していない。4万人のボランティアを対象とする大規模治験は先週始まったばかりだ。
ロシアのコロナワクチン一番乗り、その舞台裏
「人の命を使ったロシアンルーレット」との批判も
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