そのクレームは修正できないほど、ひどいものになるのだ。

 お客様が怒っているときは“冷静な状態になるまで”待つ必要がある。これはクレーム処理の鉄則で、ここまでの方法は知っている方も多いと思う。

物静かにクレームを言ってくる
サイレントクレーマー

 今日、私がお伝えしたいのは“サイレントクレーマー”の扱いについてである。いわゆる物静かにクレームを言ってくるお客様だ。
 
 声を荒らげてクレームを言ってくる人は分かりやすい。さすがにこの状態のお客様にケンカ腰で臨む人は少ないだろう。しかし、冷静で物静かに言ってくるお客様に対しては「これは保障外なのでしょうがないんですよ」などと言ってしまうこともあり、これが非常に危険なのだ。

 過去、私はこれで何度も失敗した。冷静にものを言ってくるお客様に対して、こちらの都合のいいような話をした途端「それはおかしいでしょう!!」と激怒されたことがある。その怒りを収めるのは大変だった。

 ただ、このお客様はまだその場で怒ってくれたからまだいい。その場では冷静な態度を取り、その後、カスタマーセンターに連絡する人もいた。そこで完全に関係が悪化し、連絡を取っても「あなたでは話にならないので上司を呼んでください」と相手にされなくなった。結果、お客様からも会社からも信頼を失ったのだ。

 私の知人は飲食店を経営している。静かにクレームを言っているお客様に対して「この程度は誤差なので…」と軽く対応してしまったことがあった。

 そのとき、お客様は「あぁ、分かりました」と納得してくれたように思えた。しかし、後日、口コミサイトを見ると“評価1”とともに、事細かくそのときの状況が書き込まれていた。

評価が重要な時代
口コミを味方につけよう

 今の時代は評価が重要だ。情報化社会なので、お客様からの評価が下がるというのは致命傷になる。多くの人はネットの評価の数字を見て「このお店は4.1もあるから大丈夫だ」と決めたり、逆に「3.3かぁ、ちょっと微妙だな」と敬遠したりするのだ。その知人はつくづく「あのとき、丁寧に対応しておけばよかった」と後悔していた。

サイレントクレーマーに気をつけろ!「評価が命」の時代を生き残る営業術『一瞬で心をつかむ!聞く力』(学研プラス)菊原智明著

 どんなささいなクレームだとしても丁寧に対応することが非常に大切だ。特に「お客様が怒っていないから大丈夫だろう」という油断が一番マズい。怒っているお客様にも冷静なお客様にも“まずはじっくり話を聞く”といったスタンスを取るべきだ。どんな人も話してスッキリすれば気が済むものなのだ。

 下手に反論すれば、事態はますますこじれるが、話をじっくり聞いて冷静になれば最小限で収まることが多い。丁寧に対応すれば「この営業マンはさすがだ」または「この会社は他とは違う」と評価が上がる。こうなれば自然にいい口コミが広がるだろう。

 情報化社会の今は評価社会でもある。そのことを忘れずにクレームに立ち向かってほしい。