――目下、次の自民党総裁・内閣総理大臣に最も近いと思われる菅氏ですが、菅政権ができると仮定した場合、その政治手腕をどう見ますか。

 菅氏は、少なくとも内政では十分経験を積んでおり、個別の政策には非常に強い印象があります。よって、安倍政権の路線を継承するには最適だと思います。ただ、アベノミクスをはじめとする安倍政権下の政策が、全て成功しているわけではない。それをどれだけ軌道修正できる手腕があるかは、未知数です。

 また、菅氏はパフォーマンスが得意ではないので、安倍首相のように華々しく外交を展開することは考えづらいです。外交をはじめ自分の苦手分野は、適任者を選んである程度の裁量を与え、任せていく体制になると思います。

菅氏は修羅場をくぐってきた
ただの「つなぎ」ではない

 いずれにせよ、総裁を目指すほどの政治家には、自分がのし上がるために戦略的にライバルを蹴落としたり、時の実力者に食い込んだりするパワーが必要です。今回、安倍政権の「単なるつなぎ」と評されることが多い菅氏ですが、安倍政権ができるまでは、戦っては負け続けるという修羅場をくぐり抜けてきました。多くの派閥に支持されるのは成り行きではなく、「たたき上げ」の強さも評価されてのことだと思います。

――「菅内閣」の重要閣僚には、誰が選ばれそうでしょうか。

 現段階では予想できませんが、どういう人事をやるかによって、菅氏の「腹の内」がわかります。派閥のバランスを重視したり、安倍政権で主流派だった人たちを重用したりする人事なら、「つなぎ」の意識が強いでしょう。反対に「菅カラー」を打ち出す人事なら、来年の総裁選も勝ち抜いて長期政権を築こうという意欲が強いことになります。
 
――新首相の元で、衆議院の解散・総選挙はあるのでしょうか。あるとしたら、どのタイミングでしょうか。

 永田町では、10月25日投票などという噂も出ています。安倍首相が辞任を表明した途端、「ご祝儀」で政権の支持率が50%を超えて復活する一方、立憲民主党や国民民主党の合流などで野党の体制が整っていないからです。こうした状況を好機と捉えて、早期解散を主張する人は自民党内にいます。また新しい首相にとって、早い段階で解散・総選挙を行い国民に信を問うことは、悪い選択肢ではありません。