「四半世紀ぶりの“全世界同時リセット”の時代です」と語るのは「プレゼンの神」と呼ばれる澤円さん。日本マイクロソフトの業務執行役員時代には年間300回以上プレゼンテーションをこなし、ビル・ゲイツが卓越した社員だけに授与する「Chairman's Award」を受賞した経歴も持つ。2020年8月末には、長年勤めた日本マイクロソフトを退職して独立。新しい挑戦に乗り出した。著書の『マイクロソフト伝説マネジャーの 世界№1プレゼン術』や最新作『個人力』なども話題だ。澤さんはコロナ禍で感じる世界の変化、それに合わせたプレゼン(伝え方)の変化をどう捉えているのか。7月に初の著書『100%共感プレゼン』を出した三輪開人がプレゼン業界の大先輩に話を聞いた。
澤円さん(以下、澤):新型コロナウイルスの影響で、時代が大きく変わりつつあります。全世界が同時にこれだけ大きな変化に直面したのは、実に1995年以来のことです。三輪さんは1995年に何があったか分かりますか。
三輪開人さん(以下、三輪):1995年、僕はまだ小学生でした。当時の僕は野球をすることにしか関心がなくて、野茂英雄選手がメジャーリーグデビューした年だと覚えています。でも、野茂さんが全世界をリセットした、という話ではないですよね。
澤:そうですね(笑)。1995年には「Windows95」がリリースされました。「インターネット元年」とも呼ばれた年です。それまでもインターネットは存在していたけれど、インフラとしてのインターネットが急にメジャーな存在になっていった。
そして世界の景色が一変したんです。1995年移行、誰もが簡単にインターネットに接続できるようになり、マイクロソフトをはじめ、アップルやグーグルといった企業がデバイスやソフトウェアを安価にリリースして、インターネット上で新しい経済圏を生み出していきました。1995年を境に、世界のあり方が大きく変わったのです。