プレゼントの本当の価値とは?

「自己中」なあなたの物語が聞き手の心を揺さぶる

三輪:澤さんの新著『個人力』でも、まさに「自己中」について触れられていました。一方で、澤さんは以前から「プレゼン=プレゼント」と仰っていて、プレゼントを渡すという文脈では、相手のことを第一に考える必要があります。自己中とプレゼントの概念は、矛盾しないのでしょうか。

:矛盾しないと思っています。例えば三輪さんがプレゼントをもらう立場だとしましょう。仕事の同僚と、古くからの友人、それぞれから同じプレゼントをもらったとして、その価値は同じでしょうか。

三輪:違いますね。同じものでも、誰からもらったが重要なので。……あ、確かに「人」が差別要因になっていますね。

:そうなんです。結局、同じ贈り物でも、背景にある物語が違えばそれは立派な違いになる。だから無理して相手起点で考える必要もありません。外側からの視線ばかり気にしていても疲れるだけです。

三輪:確かに、相手との接点をいくら見つけても話が盛り上がらず、一方で、相手の知らない自分だけの経験を伝えた方が興味を持ってもらえることもあります。

:まさにそれです。自分が心の底からワクワクすることを話すという、自分を中心とした話し方の方が、案外相手に共感してもらえるんです。

三輪:それは究極の「自己中」戦略です。そして意外と、それを逆に捉えてしまっている人が多いように思えます。

:「自己中」であることは、決して悪いことではありません。初めて会う相手に興味を持ってもらう上でも、「自己中」な話、つまり自分の物語を語ることが必要なことは、三輪さんの『100%共感プレゼン』でも書かれていましたよね。(後編に続く)