FRB(米連邦準備制度理事会)は8月27日のジャクソンホール会議におけるパウエル議長の講演に合わせ、「長期目標と金融政策戦略」と題した声明文を公表した。その中で、インフレ率が一定期間目標を下回った後は、インフレ率が一定期間目標を上回ることを容認する「FAIT(平均インフレ率目標)」の採用が示された。

 また、これまで以上に「雇用の最大化」を求める姿勢も示され、最大雇用確保のためのインフレ率オーバーシュートの容認も示唆されている。

 2%を上回るインフレ率の容認によって、これまで2%でキャップされてきたBEI(ブレークイーブン・インフレ率、期待インフレ率)が2%を上回るとの期待が高まり、3月に大幅に低下した米国債市場の10年債BEIは、一時1.8%にまで上昇している。