今年2月、ある金融情報会社のイベントにご招待いただいた。残念ながら新型コロナウイルスの影響でイベントは中止になってしまったが、事前に配布されたアンケートの設問の一つに「25年後のびっくり予想」があったのが印象に残っている。びっくり予想とは、それを予想する人は少数だが、それが起きる確率は50%以上あると考える予想のことを指す。
2045年の世界はどうなっているのだろう。筆者は半分本気、半分余興気分で「25年後も日本の国債利回りは0%」と回答した。もとより10年国債の利回りは0%近傍にあり、この先10年間は低金利が続くことを示唆しているが、さすがに25年後もゼロ金利というのは言い過ぎだったかも知れない。
しかし今回のコロナショックで、ゼロ金利政策が予想以上に長期化する可能性を真剣に考える必要が出てきたように思われる。この環境変化は、資産運用の世界にも大きな影響を及ぼす。本稿ではその対処法について考察したい。
コロナ禍で長期化する
各国の低金利政策
米国の金融政策を決定する米連邦公開市場委員会(FOMC)は、6月10日、政策金利の誘導目標を0~0.25%に据え置くと同時に、2022年末まで現在の政策金利を維持する考えを表明した。さらにFOMCは、日本銀行に倣ってイールドカーブ・コントロール政策の導入を検討しているとの観測もある。いずれも金融政策の時間軸効果を狙ったもので、米当局は経済の建て直しに長い時間を要すると見ているのだろう。