過去の経験からも政治の独自チームは必要

 振り返ると、過去20年の間に行革がブームになった時が2度ありました。

 最初は小泉政権(郵政民営化、政府系金融機関の民営化)で、次は民主党政権(仕分けによる予算の無駄の削減)です。

 ただ、小泉政権は成功を収めたのに、民主党政権は無残なまでに失敗しました。そのように正反対の結果となったのは、首相のリーダーシップやカリスマ性の違い、民主党の政策に対する詰めの甘さなどもあるでしょうが、やはり最大の理由は改革を進めるチームの存在ではなかったかと思います。

 民主党政権は、基本的に国会議員だけで行革を進めようとしましたが、政権発足からすぐに、省庁の抵抗を受ける中で国会議員だけでは何も進まないと分かり、霞が関の軍門に降ってしまいました。

 それに対して小泉政権では、竹中大臣(当時)の下で民間人、役所からの出向者などがチームを組織して、作戦会議を繰り返して改革の骨抜きを狙う官僚に対抗したので、ある程度の成果を収めることができました。

 例えば、小泉政権当時の経済政策の司令塔は経済財政諮問会議だったのですが、その民間議員と竹中チームが水面下で改革のアジェンダづくりや具体的な進め方を相談し、それに基づいて諮問会議の場では、民間議員と竹中大臣が阿吽の呼吸で議事を進行し、官僚の抵抗を排除しました

 また、規制改革会議は提言こそできるものの、規制を所管する省庁にその提言を実行させる権限がなかったことから、竹中チームがその規制改革会議の事務局にいた改革派官僚と連携して、諮問会議に規制改革会議の議長を出席させ、そこで小泉総理から提言の実行を各省庁に命じる発言をしてもらう、といった舞台回しなども行いました。

 こうした過去の経験からも、菅政権が本当に意味のあるデジタル庁を創設しようと思うなら、また本当に重要な行革・規制改革を進めようと思うなら、担当大臣の下に官僚組織ではない独自の改革推進チームを組織することが不可欠だと思います。

 そうしたチームを早い段階で組織できるかが、継続的な改革推進の試金石になるのではないでしょうか。ちなみに、チームのメンバーは、外部の人材、出身省庁の利害を無視できる改革派の官僚、そして自民党側の改革派の議員といった内外の改革派の人材を集めた混成チームが、議論して官僚を論破するためにもベストだと思います。