「儲けるために経費をかける」のはクラウド業界で長年行われてきた駆け引きの手法だ。ただ、企業向けソフトウエア大手の米オラクルによる人気動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」との提携は、それを完全に新たな水準へと引き上げている。この提携については、最終的に米中両政府の承認を得ることができるか否かなど、まだ不透明な点が多い。だが、クラウド事業で注目度の高い顧客を獲得したいというオラクル側の最大の動機は、同社が前週末に発表した、TikTokの「安全なクラウド技術プロバイダー」となることについての声明の中で明らかにされている。その声明の2番目の文は、TikTokの選択について、4月に締結されたオラクルとズーム・ビデオ・コミュニケーションズとのクラウド契約に大きく影響を受けた「技術面での決定」だと言及している。